外壁塗装は家を長く維持するうえで必須といっていいほど重要な工事ですが、施工にはそれなりに大きな金額が必要になります。ざっくり見積もっても数十万円~100万円近くかかることもあるので、その負担は馬鹿になりません。しかし施工やリフォームに際しては助成金が受けられることがあります。条件はありますが、どうせなら制度をうまく活用してなるべく費用を抑えたいですよね。今回は、外壁塗装の助成金を受けられる条件や申請の流れなどを解説します。
1. 外壁塗装の施工の際は助成金を受けることが可能
助成金が出る工事としては住宅リフォームが有名ですが、外壁塗装のような部分的な施工であっても出る場合があります。基本的には各自治体が独自に条件や金額を定めているものなので、お住まいの自治体ごとに事情が違い、地域によっては「制度自体がない」場合もありますので注意が必要です。
自治体によって異なりますが、支給金額の平均はおおよそ10万円~20万円ほどで、もっと支給額が大きい自治体もあります。助成金を受け取るためには自治体に申請することが必要ですが、返済は不要となるので使って損はない制度です。支給されるタイミングについては基本的に「工事終了後の後払い」になるので、この点は注意が必要です。
2. 助成金を受け取るための条件
助成金を受け取るためには一定の条件をクリアすることが必要になります。
条件にはいくつかの種類がありますが、まず満たすべき条件としては「エコリフォーム」といって、「断熱による省エネを目的とした工事であること」というものがあります。この条件を満たすためには、施工の際に遮熱性や断熱性の高い塗料で施工を行うことが求められます。
そして、これは非常に重要なことですが、どのような助成金であっても「施工の前に申請する」ことが必須です。施工後での申請では受け付けてもらえませんし、条件を満たしているかを判断するのはあくまでも自治体なので、条件を満たすかを確認する意味でも、必ず施工前に余裕をもって申請を行う必要があります。
その他にもいろいろな条件があります。自治体によって細かく変わるので違いはあるものの、以下のようなものが課せられる場合が多いようです。
・申請地域に居住していること
・建築基準法に則り建築された住宅で、違法な増改築を行ってないこと
・税金の滞納をしていないこと
・過去に助成金を受けていないこと
3. 助成金を受けるために必要な書類
また、助成金を受け取るためには各自治体の長が求める書類の提出が必須となります。申請時に必要となる書類は自治体によって異なりますが、代表的なものとしては以下のような書類が挙げられます。
・工事の見積書(工事金額の確認)
・建物に係る登記事項証明書(所有者の確認)
・納税証明書(未納の税金がないかの確認)
・施工前・施工後の建物の写真(施工状況の確認)
場合によっては住宅の平面図や見取り図、建築確認済証、固定資産登録事項証明書などより詳細な書類が求められることがあります。また、認識齟齬を防ぐためにも、施工業者が助成金の対象となる施工を行ったことがあるかも念のため確認しておくと安心です。
4. 助成金を受け取るまでの流れ
ここからは、助成金を受け取るまでの流れについて説明していきます。
まずは、お住まいの自治体で助成金制度が設けられているかを確認してください。制度が設けられていなければそもそも受け取ることはできないので、その場合は涙をのみましょう。制度が設けられていれば、詳細な条件をしっかり確認しておくことが大切です。
そして業者から申請に必要な見積書や診断書を出してもらいましょう。優良な業者であれば申請の際にサポートをしてくれる場合もありますので、助成金対象の施工経験のある優良な業者を選べるとベストです。申請の書類が揃ったら、重ねて申し上げますが必ず「工事の施工前」に申請をしましょう。そして、申請の承認通知が届くまでは施工を待ってもらうようにしましょう。申請しても条件が細かいところで満たされておらず、承認されない場合もあるからです。
無事承認がおりたら、工事を始めてもらいます。提出を求められることが多いですし、もし万が一トラブルが起きた場合の証拠にもなるので、工事施工前・施工後の写真は必ず残しておくようにしてください。塗装工事が完了したら自治体へ完了報告と同時に報告に必要な書類や提出物を提出しましょう。
その後自治体によって施工後の住宅の確認が行われます。これは写真のみで済む場合もあれば、実際に自治体職員が自宅に訪問する場合もあります。自治体によって確認が完了すれば晴れて助成金の支給です。支給に係る日数は自治体によって異なりますので、不安な方は事前に確認をとってみましょう。
5. まとめ
以上、外壁塗装の助成金について、受け取るための条件や必要な書類、受給までの流れなどひととおり解説しました。条件や必要書類は細かく異なりますが、受給までの流れは基本的には変わらないので、この記事を参考にしっかりと条件の目安や受給までの流れを把握しておきましょう。
外壁塗装は家を守る為に重要な工事ではありますが、大きな負担となるためなかなか施工に踏み切れない人も多いと思います。そうした時に助成金をしっかり受けることができるよう、まずは自治体の制度を確認しましょう。そして条件に合った施工を行えるようであれば申請をし、承認してもらったうえで施工をするようにしてください。